【当事者手記】「助けて」と声を出せるまで『生きづらさと摂食障害と私』


反抗期と自傷行為

中学の後半から私の中の何かが変わり、一転して攻撃的な性格になった。孤立する事も増え、学校をたまに休むようになった。
その頃から、母と私の「学校行きなさい」「行かない」のやり取りが絶えなくなっていった。
ある日、私はいつもの争いの後、部屋にあるものを滅茶苦茶にぶち壊した。そこへ父が来て「物にあたるな」と激怒した。当時の私は、吐き出す先のない負の感情を、反抗的な態度でしか表すことができなかった。
それから、物ではなく自分にあたるようになった。いわゆる自傷行為だ。シャープペンシルなどで手の甲をプスプスと刺すことから始まり、腕を切り、手首を切るようになった。母は気付いていたのかどうか定かではないが、無理やり学校へ行かせるようなことは次第になくなった。

全てに行き詰る

高校入学後、当初は全てが順調だった。しかし、再び対人関係に苦戦して、学校へ行かない日が増え始めた。学校での悩みがあれば、素直に母に伝えていればよかっただろう。
けれど、私は昔から否定的な言葉のシャワーを浴びながらも「いい子ちゃんでいなくちゃ」と、仮面を被り続けてきたために、母に一切の本音や弱音を吐き出すことができなくなっていた。
吐き出せなくなった「毒」は私の中にどんどんと蓄積されていった。気が付くと私は、その「毒」を他人に対して浴びせるようになっていた。当然のように敵が増え、人間関係に行き詰まってばかりだった。
その後、全てに行き詰った私は、中学時代に一度止めていた自傷行為を再開したり、ODしたり、大量飲酒したり、何も食べられなくなったりしていった。
矛盾するようだが、何もかもが嫌だと思う反面、痩せたいと望んでいた時期とも重なり、自分の食欲不振を喜んでいた。当時好きだった人のタイプが「痩せ体型」だったのも余計に後押しした。
そして、絶対に食事を摂らなくてはならない日、修学旅行がやってくる。その時、私は人生で初めて口内に手を入れて、食べてしまったものを吐き出した。
『最近せっかく痩せてきたし。これ以上体重を増やしたくない』という気持ちからだ。
自己誘発嘔吐を覚え、最初のうちはスルスルと痩せていった。「痩せた?綺麗になったね」と言われることが増え、嬉しかった。家族からは痩せていくことでほんの僅かだが心配され、安堵感を覚えた。
それも相まってか、気が付くと頻繁に吐くようになっていた。

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