活気づくひきこもり女子会「貴重な感情共有の場」 第4回ひきこもり女子会 レポート


活気づくひきこもり女子会

左側が林恭子氏、右側が恩田夏絵氏
左側が林恭子氏、右側が恩田夏絵氏

「貴重な感情共有の場」

(文・土橋詩歩)
11月8日、東京ウィメンズプラザ(渋谷区)で、ひきこもりUX会議が主催する「第4回ひきこもり女子会」が開催された。参加者は84名で、前回の60名に比べて更なる盛況を呈した。
今回は20代~50代前後と年齢層も幅広い。
第1部は当事者・当事者家族・ひきこもりに関心のある人が参加可能で、林恭子氏・恩田夏絵氏のトークセッションに自由に参加することができる。第2部は当事者・経験者のみでグループトークをするという形式だ。

第1部は、林氏と恩田氏が対面し、参加者がそれを円のように取り囲む配置。その後、2人の自己紹介・ひきこもり・生きづらさのエピソードなどを含むトークセッションが始められた。

適時、参加者には質問をする時間が設けられ、「すぐに落ち込んでしまい、気持ちの切り替えがうまくできない」の悩みには『ゲームをしたり漫画を読んだりしています。
そのほか走ったり熱いシャワーを浴びたりするといいぞと恩師に言われました』と恩田氏は答えた。
「将来への不安はありませんか」の問いには『来年の今、どこで何をやっているかはわかりません。しかし、今何かをやっていれば明日の何かに繋がるかもしれない。と信じています』と林氏は返答。

ひきこもり状態や生きづらさが寛解したきっかけは双方で全く異なる2人だが、最後に「誰かに迷惑をかけないで生きていくなんてありえない。
自分を理解して、自分が無理なことからは遠ざかる。たとえそれが社会で良いとされていても。
そうして、より自分が心地いいものに近づいていけばいい」と共通した意見で締めくくった。

第2部では8つのグループに
第2部では8つのグループに

女子会に参加する理由

第2部では、9つのグループ(人間関係、家族関係、恋愛・結婚、発達障害、主婦、仕事、アニメ、ファッション、はじめて参加する方)に分かれて、当事者・経験者のみで、互いの気持ちを語り合った。

終了後、筆者は参加者に「ひきこもり女子会」を知ったきっかけや参加した理由を尋ねた。
2年~3年の間ひきこもり、通院しながら医療関係の資格を取得したAさんは「現在は仕事をしていますが、発達障害などによる生きづらさを感じ、今回のイベントをツイッター経由で知り参加しました」と答えてくれた。
そのほか、現在もひきこもり状態であるというBさんは「ひきこもりフューチャーセッション庵 IORI(偶数月に都内で行われるひきこもり当事者や関心のある方が参加できるイベント)経由で知りました。女子会に参加するのは今回で2回目。他のイベント・当事者会では男性の比率が高く、経験談などを淡々と時系列で説明する方が多いです。一方で、女子会は女性ならではの『感情』に重きを置いた、『共感』しやすい場だなと感じていて、とても居心地が良いです」と、違いを教えてくれた。

【今後の動きに注目?】

これまでの公的調査によれば、ひきこもり状態の人は男性7割、女性3割という結果が出ている。今年9月に内閣府が公表したばかりの「若者の生活に関する調査(ひきこもり実態調査)」でも「主婦」・「家事手伝い」などは含まれていなかった。
また、摂食障害や発達障害などの生きづらさを抱えている女性も数多くいるが、彼女たちを救うネットワークも決して多くはなく、情報共有をできる場が未だ少ないというのが現状だ。
引き続き、ひきこもり女子会ネットワークの広がりに期待したい。

また、同会ではボランティアスタッフを募集している。公式ブログはこちらひきこもりUX会議ブログもしくはメール(uxkaigi@gmail.com)にて応募を募っているとのこと。

次回開催は来年1月予定。