この人に注目!「当事者として必要な場所を作る」割田大悟氏


自分らしい人生に向かって、希望を持って歩むことが本当のゴール

──ピアサポゼミナールをやってみていかがでしたか?

めっちゃ大変です(汗)。基本的な枠組みや事務をコアメンバー3人だけでやるのは物理的にあり得ないです。
あれだけ打ち合わせを行い、家で毎日作業をやっても全く終わる気配が見えないほど多くの準備を毎回しています。コアメンバー3名は表彰されてもいいくらい(笑)。
幸い2人の尊敬するアドバイザーから当日や裏方でサポートを受けることができています。

──なぜピアサポートにこだわるのでしょうか。

ピアサポートにこだわる理由は、やはり「自分たちのことを周囲が勝手に決めるのはおかしい」「自分たちにできることは自分たちでやる」という思いが根底にあります。
暴力的介入団体に対して共同声明を出しましたが、やはりこの考え方がベースにありました。まず「自分たちで出来ること」を考えた方が良い。
自分は「一方的な上下関係の支援」に違和感を持っているので、対等な関係による相互性や経験のシェアが中心である「ピアサポート」の考えが何より重要だと思っています。
自分の考えでは【個々のリカバリー(自分らしい人生に向かって希望を持って歩むこと)】が本当のゴールじゃないかと。ピアサポートはそれを助ける重要な役割を持っている。だからピアサポートについては譲れないものがあります。

──これから居場所をやりたい人へ伝えたいことがありましたらお願いします。

居場所に必要なのは「人」「場所」「会計」「方向性」です。まずは居場所をやりたい人を募りましょう。一人ではできないことも、複数いれば多くのことができます。場所は公民館など安いところを調べてみましょう。
あと会計は絶対やっておきましょう。なあなあだと後でトラブルの元になって後悔します。
最後に居場所の方向性は運営者同士で定期的に共有しておきましょう。大変そうに見えますが、そんなときにはぜひ自分に相談してください。簡単な事務書類の書き方・会計の仕方・運営の仕方など、居場所の立ち上げまで一緒に行います!

──全国の居場所へ参加を考えている、ひきこもりの方へのメッセージをお願いします。

居場所は「多くのつながり」ができるところです。そこから元気になる人は大勢いますし、自分もそうでした。
つながりが自分を色々な場面で助けてくれるからです。もし参加したい場合には、ずばり「複数の居場所に行くこと」をお奨めします。
なぜなら居場所にも相性があるからです。「ひき桜」が合わなかったら遠慮なく別のところに行く、自分が安心して過ごせるところを探すと良いです。
どこに居場所があるのかはある程度紹介できますのでぜひ聞いてみてください。

──今後の展望、どういった理想を持っていらっしゃいますか?

やっぱり「無いところを開拓する」のが出来ればいいですね。
ちなみに3月からは新たに東京都町田市で月1回当事者会を開催します。今後も当事者団体のないところで当事者会を開催していければと思っています。
一方「開拓したことを継続する」のもやりたいです。「ひき桜」は継続していきたいですし、必要だと思われている間は開催したいなと。
「ひきこもりピアサポートゼミナール」も同様です。
今後の展望はずばり「ピアサポートが普及していくこと」です。その理想は自分や相手や当事者会に参加している人たちのリカバリーが促進していき、それをピアサポートという形で支え合い、出来ることを皆で一緒に考える。そんな活動が各地で盛んになるような社会になっていけばいいなと思います。

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